PacTechは無電解ニッケルめっきの受託加工サービスを行っています。 これらの加工サービスはドイツ/アメリカ/マレーシアの3か所の製造拠点で行われ、プロトタイピング, エンジニアリング, R&D, 量産などのお客様のフェイズに合わせサービスを提供します。 各拠点のキャパシティは、年間600,000ウェハーです。
PacTechでは、無電解ニッケル/パラジウム/金を組み合わせて、いくつかの異なる構成と厚さのめっきを提供しています。
- 無電解Ni/Au
- 無電解Ni/Pd
- 無電解Ni/Pd/Au
- 無電解Ni/Ag
当社プロセスは、仕様とアプリケーションに応じて2µmから25µmのニッケルを成膜することができます。 また通常、パラジウムであれば100 nmから300 nm、金は30 nmから100 nmの範囲となります。 当社ではこのサービスを20年以上に渡って行ってきた実績があります。お客様のアプリケーションに適した仕様を見つけるお手伝いもさせていただきます。

アンダーバンプメタライゼーション(UBM)は、すべてのバンピングプロセスに不可欠な要素です。 この層は、一般的にPVD, 電気めっきまたは無電解めっきのいずれかよって形成されます。 多くの場合、プロセスはコストと信頼性によって決まります。 PVDおよび電気めっきのプロセスでは高真空とフォトリソグラフィーのステップを必要とするため、コストは高い傾向にあります。 一方、無電解めっきプロセスは、化学反応によるプロセスであり自動的に選択的バンプ形成が行われます。投資/運用コストの両面においてコストを削減できます。

自動めっきライン (PacLine 300 A50)

アルミニウムパッド

Ni/Auめっき済パッド
アルミニウムパッドの場合、無電解ニッケル層を形成するために次のステップを踏みます。
1.有機物またはシリコーンベースの汚染物質をパッドから取り除きます。これらはウェハーの取り扱い方法、保管方法、製造プロセスの変動等により発生する可能性があります。
2.アルミニウムパッド表面の自然酸化物を除去します。 これは通常、苛性のエッチング薬品を使用して実行されます。
3.アルミニウムの表面の活性化を活性化します。最も一般的に使用される方法は「ジンケート処理」と呼ばれ、酸化亜鉛溶液を使用してパッドのアルミニウムの一部を置換反応により亜鉛に置き換えます。この最初の亜鉛層を剥がし、ジンケート処理で亜鉛層を再形成することにより、より高品質の層が形成されることがわかっています(いわゆる「ダブルジンケート処理」)。この亜鉛層はアルミニウムパッドの電位を変化させるため、硫酸ニッケル溶液に浸漬することでニッケルがこの亜鉛に置き換わる反応が起こります。この反応は自触媒反応のため反応は自然に継続します。時間, 温度, pH, めっき浴の濃度を調整することにより、高さ1〜25ミクロンのニッケル層を形成できます。
4.ニッケルの表面の酸化されやすいことから、ほとんどの場合貴金属の薄層で表面を保護します。無電解ニッケルプロセスと互換性のある2つの成膜プロセス(PdとAu)の両方あるいはどちらか一方を、同じめっきライン内で成膜できます。
銅ベースのパッドの場合、ニッケルおよび金のめっき浴は上記のアルミニウムパッドの場合と同じです。汚染物質を除去し、I / Oパッド表面の酸化被膜を除去するために、いくつかの酸ベースの薬液で洗浄を実施します。銅パッドの活性化は、通常はパラジウムベースの触媒を使用します。 この際のポイントは周囲のパッシベーションをアクティブにすることなく、いかに銅パッドにのみ選択的に触媒を付与するかという点です。
この無電解めっきプロセスは低コストに行うことができ、フリップチップやWLCSPに加えて次のようなさまざまなアプリケーションに使用できます。
- ポリマーフリップチップ(1~5μmt Ni/Au +導電性エポキシ)
- 異方性導電接着剤(10~25μmt Ni/Au + ACFまたはACA)
- ワイヤボンディング用銅/アルミニウムパッドの表面処理(2~5μmt Ni/Au、Ni/Pd、またはNi/Pd/Au)
- プローブテスト用銅パッドの表面処理(2~5 μmt Ni/Au、Ni/Pd、またはNi/Pd/Au)
自動無電解めっきラインによるウェハーカセットごとのバッチ処理のため高い生産性と低コストを実現します。無電解ニッケルめっきプロセスは選択性が高く、露出した金属表面(アルミニウムまたは銅)にのみめっきが可能なためコスト上のメリットにつながります。
従来の技術と比較して、無電解ニッケルには以下の利点があります。
- めっき範囲を指定するための処理が必要ありません(真空蒸着、フォトリソグラフィー、マスクエッチングなど)
- 1つのシステムで、すべてのウェハーサイズを処理可能です(3~12インチ)
- 設備投資は比較的抑えることが可能です
- 運用コスト(人件費と間接費)が抑えられます
ウェハーへの無電解めっきは、使用される材料やお客様のプロセスごとに固有のばらつきがあるため困難な場合があります。パッドの合金組成、パッド金属下の構造、パッシベーション材料と品質、パッド電位などはすべてニッケルのめっきの成膜速度、均一性、および密着性に影響を与えます。
このプロセスは一般に特許性があるとは見なされないため、開発者はプロセスの詳細を独自のノウハウとして取り扱います。したがって、無電解ニッケルめっきプロセスの詳細は入手しにくものとなっています。
プロセス最初の3ステップは、めっきプロセスの選択性、ニッケルの状態、およびアルミニウム(または銅)パッドへのニッケルの密着性を決定する非常に重要な要因となります。
一般的に触媒層(亜鉛またはパラジウム)を均一で薄く成膜することで、良いニッケルメッキ構造を形成することが出来ます。
また薬液の適切な成分比も、良いニッケルメッキを形成する上で重要です。
適切なめっき液を選択することに加えて、量産でプロセスを実施する場合は、供給安定性, 原産地, 価格, 毒劇物の取り扱い, めっき液の寿命, 廃液処理, および化学物質に関連する環境問題も考慮する必要があります。
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